在庫移動

 

このトピックでは、在庫の移動を取り上げてSAPのコンセプトを説明します。

在庫移動とは、原料入庫、原料出庫、生産入庫、製品出荷など、品目の在庫に変更をもたらすビジネス活動です。 SAPでは在庫移動が大きく以下のように分類されることができます。

  1. 入庫
    入庫(GR) は、仕入先または生産からの品目の入庫転記を伴う在庫移動です。入庫によって倉庫在庫が増加します。
  2. 出庫
    出庫(GI) は、品目の払出や出庫、品目消費、または得意先への商品の出荷に関する転記を伴う在庫移動です。出庫によって倉庫在庫が減少します。
  3. 在庫転送
    在庫転送(TR)は、品目をある保管場所から払い出し、別の保管場所に転送することです。在庫転送は、同一プラント内で行われることも、2つのプラント間で行われることもあります。
  4. 振替転記
    振替転記とは、品目の在庫タイプまたは在庫カテゴリの在庫転送および変更です。振替転記は通常、物理的な移動が伴うことがありません。

移動タイプは、入出庫タイプを定義したものであり、在庫管理機能を制御するための最も基本的な項目です。 移動タイプは3文字コードで識別されます、以下、例として標準の移動タイプを一部抜粋します。

  • 101 : 購買発注入庫
  • 102 : 購買発注入庫取消
  • 122 : 仕入返品
  • 123 : 仕入返品取消
  • 501 : 購買発注外入庫
  • 502 : 購買発注外入庫取消

属性

SAPでは、移動タイプ毎に細かく制御をかけているため、移動タイプには属性を数多くもっております。

  • 借方/貸方
    在庫増の移動タイプはS借方
  • 取消移動タイプ
    当該移動タイプが取消移動タイプかどうかを示します
  • 移動区分
    移動のベースとなる伝票のタイプ ( 購買発注、納品書など) を指定します。
    • 空白
      参照なし在庫移動
    • B
      購買発注に関する在庫移動
    • F
      製造指図に関する在庫移動
    • L
      納品書
  • 消費転記区分
    • V消費
    • A資産
  • 勘定コード設定関連
  • 画面項目制御関連

カスタマイズ

SAPでは、移動タイプに対して以下のカスタマイズ機能を提供しています。

  • IMGパス:在庫/購買管理→在庫管理/実地棚卸→移動タイプ→コピー/変更: 移動タイプ
    移動タイプ毎にテキスト名称変更、使用可能トランザクションの定義、取消移動タイプの紐付け、勘定修正キーの設定を行う。
  • IMGパス:在庫/購買管理 →在庫管理/実地棚卸→Enjoyトランザクション設定→在庫移動設定(MIGO)→移動タイプ別項目選択
    Enjoy トランザクションの画面(MIGO)を使用して在庫移動登録するときの、移動タイプ別のレイアウト定義、 項目選択項目属性の設定を行う。