組織設計の考え方

 

業務プロセスに基づいてお取引様向け、企業の内部向けの組織をSapERP上で表現する際に、実際の組織をそのまま当てはめなくてよです。 場合によっては内部向け組織を作成する際には、業務フローをわかりやすくした り、イレギュラー処理をしやすくするために、実際には存在しない「空組織」を作る場合もあります。まず、社内の組織構造とプロセスに必要だと思われる組織を分析し、SapERPの構造と一致させることは大事です。

クライアントとは、SAP ERPを導入するお客様本体の意昧で使います。ホールディングス、グループの親会社など、組織のトップを示すため、通常は1つしか設定しません。

会社コードは、決算単位で作成します。B/S(損益計算害)、P/L(貸借対照表)もこの単位で発行するので、収支を分けて考える場合は、会社コードを分けて設定する必要があります。したがって、グループ全体の購買を集中して行っている組織がある場合には、そこも会社コードを付与したほうがいよい場合がありますので、「会社」という組織にすべて付与するわけではありません。

組織ユニツトは、「営業部」や「購買部」といった、実際の会社組織で使われます。ビジネスの統廃合により実際の会社組織が大きく変わる場合もしばしばありますので、将来のことを見据えて、組織ユニットを検討する必要があります。

ポジションは、役員や部長、課長、係長といった職位が考えられますが、SapERP内のデータを閲覧編集するなどの権限(アクセス権)を決めるためのものです。職員ではなくアクセス権限に合わせてポジションをわけることもありです。

商品とサービスの流通に関係する単位が販売組織です。販売後の製品に対する製造物責任や、得意先から商品のクレームが起きて、金銭を返却する償還請求権に対する貴任を負います。 地域別、国別または世界中で市場を分類することにも使います。販売の実績を集計して業務管理や業務分析、販売管理レポートを発行する単位でもあります。

販売管理の業務処理(受注伝票、出荷伝票、請求伝票の明細)は、いずれかの販売組織に属します。販売組織として固有のマスターを持つことができます。 販売組織は、営業に関する部署を当てはめられます。「A営業所」や「Bグループ」という単位も用意されていますが、あまり細かく設定すると、組織変更時に大変ですし、顧客のニーズや時代の流れで、今のサービスの提供方法や内容が多様化し、将来像が描きにくいと思います。1会社1販売組織固定で実質的に販売組織を使用させないようにする設計パターンもよくあります。

流通チャネルとして、「通販」「店販」「訪販」「直販」という販路もありますが、以下の要件にない場合は特に使う必要がありません。

  • 専用の受注入カシステムや個別のマスター登録など、プロセスが多岐に渡って処理される場合
  • 価格や条件(割引、インセンティブ)が異なる場合
  • 商品マスターデータが異なる場合(専用タグ、店舗商品コードなど)
  • 得意先マスターデータ(販売エリア)が異なる場合
  • 特定の顧客にのみ、SAP ERPに対する権限が変わる、特権が与えられる場合

製品部門とは、取り扱っている製品やサービスのことを指します。マスター登録をする際に、項目が大きく変わるものは分けた方がよいです。

プラントは、生産施設や流通センター、宮業所・本社、その他の設備拠点を表します。プラントを通してでしか商品、サービスを提供することは、できません。出荷する場所が複数ある場合、プラントをすべて登録する必要があります。また分散購買を選択している場合は、購買組織も登録します。

保管場所は、実際に商品を置いてあるロケーションを登録するのではなく、出荷を制限したり、利用ができるように移動したうということをシステム上で行います。